前回は、「数十年に1回以上」遭遇すると思われる【中地震】と「数百年に1回以上」遭遇するかも知れない【大地震】の2段階(1次設計、2次設計)で建物の安全性を確認する
「構造計算」のお話をしました。
今回は、2階建て木造住宅などの耐震性の確認のお話をします。
2階建て木造住宅などの耐震性の確認は「壁量計算」と呼ばれます。
床面積に応じて一定以上の筋かい等の耐力壁を設けるように決められた規定に沿った検討です。
1981年(昭和56年)以降は、必要壁量や耐力壁の壁倍率が大幅に見直されました。
その後、兵庫県南部沖地震(1995年)に被害の大きかった木造住宅には「偏心率(バランス)が悪い」、「施工時の品質の管理がされてない」、「腐朽・蟻害がある」といった特徴が著しかったことを受け、2000年に建築基準法が改正されました。
1981年(昭和56年)5月以前の建物は、耐力壁量が不足しています。
→地震に耐える力が弱く、倒壊する恐れがあります。
1981年(昭和56年)6月以後2000年5月以前の建物は、耐力壁量は満足していても
バランスが悪く、柱の上下を固定する金物の耐力も不足していました。
→地震に耐える力があるが、その性能を発揮する前に基礎が壊れたり、柱が引き抜かれることで倒壊する恐れがあります。
2000年(平成12年)6月以後の建物は、全体的にバランスが良く、現時点では耐震性を有していると考えられています。
ここまで長々とご説明してきましたが、本題の『昭和56年以前の建物は要注意!!』の理由はココにあるのです。
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