建物規模と設計ルート

今回は、建物規模と設計ルートについてです。

設計ルートとは、構造計算を行う際の道程です。


まずは、建物規模と採用できる設計ルートの区分になります。


○ルート1

強度型:建物を変形しにくくして、地震に対して耐える ≒ 満員電車の中で踏ん張るイメージ


木造

建物高さ≦13m,軒の高さ≦9m


S造

建物高さ≦13m,軒の高さ≦9m,

+柱スパン≦6m,階数≦3,延べ面積≦500㎡ → ルート1ー1

+柱スパン≦12m,階数≦2,面積≦500㎡,平面的バランスが良い(偏心率≦0.15) → ルート1ー2

+柱スパン≦12m,階数≦1,面積≦3000㎡,平面的バランスが良い(偏心率≦0.15) → ルート1ー2


RC造(*1)

建物高さ≦20m,規定量の耐震壁(*2)がある



○ルート2

S造

建物高さ≦31m,塔状比≦4,平面・立面的バランスが良い(偏心率≦0.15・剛性率≧0.6)

RC造(*1)

建物高さ≦20m,塔状比≦4,平面・立面的バランスが良い(偏心率≦0.15・剛性率≧0.6),規定量の耐震壁(*2)がある(耐震壁の量により、ルート2-1とルート2-2の2つがあります) 



○ルート3(保有水平耐力計算)

靱性型:建物の変形能力を大きくして地震力を受け流す ≒ 満員電車の中で周囲と一緒に揺られるイメージ


S造・RC造(*1)

建物高さ≦60m


*1:RC造について

柱梁でフレームを組むラーメン架構について記載しています。


*2:規定量の耐震壁について

採用する設計ルートにより必要となる耐震壁の規定量は違います。

耐震壁の必要壁量は、多いほうから順に ルート1>ルート2-1>ルート2-2 となります。



各材料の特徴や想定される建物用途を勘案して、採用できる設計ルートが設定されています。

その設計ルートにより設計期間や躯体数量、確認取得までの期間も変わってきます。


また、建物規模ではルート1が採用できる場合でも、プラン等によっては上位の設計方法であるルート2やルート3を採用する場合もあります。


今回の建物規模と設計ルートは、これから計画する上での参考材料としていただけたら幸いです。

taishin nippon

-present U’plan- 耐震や構造の情報を広く発信しています。

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