片持ち床とは

今回は、バルコニーなどになる片持ち床の、一般的な作り方をお話します。


○木造の場合

・一方向に持ち出す場合

図①の様に下階に柱がある梁を持ち出して床を作ります。


・二方向に持ち出す場合

図②の様に下階に柱がある赤い梁を2段目(下段)で持ち出すとともに、直交方向の梁も持ち出します。


※概ね、持ち出した長さの2倍程度の長さの受梁が、持ち出さない側に必要です。

※持ち出し梁を一般的な材種・梁成とする場合は、持ち出し長さ910~1365程度が目安になります。

※持出長さが長くなる場合は、梁成UP,材種UPが必要になります。

※赤い梁の右側に柱がない場合は、赤い梁と同レベルに梁を入れ赤い梁を支持します。

○鉄骨造の場合

・一方向に持ち出す場合

図③の様に、柱・梁に片持ちを溶接+先端に梁を取り付けて、デッキプレートなどの床材を支持します。


・二方向に持ち出す場合

図④の様に、柱に片持ち梁を増やし片持ち梁先端へさらに片持ち梁を溶接します。

※片持ち梁には、受梁が必要です。

※持ち出し長さの目安は、2m程度になります。

○鉄筋コンクリート造の場合

・一方向に持ち出す場合

図⑤の様に、持ち出し長さが2m以下ですと、片持ちスラブだけも可能になります。


・二方向に持ち出す場合

図⑥の様に、出隅部の片持ちスラブを支えるために、柱に片持ち梁が必要です。

この時も、持ち出し長さは2m以下とお考え下さい。


※片持ち梁には、受梁が必要です。

※どちらの場合でも、2m超となる際は片持ち梁などを設け安全性に配慮します。

(鉄骨造と同様の形状になります)

※仮に、2m超を片持ちスラブだけで作る場合は、スラブが厚くなります。

ここまで見てきたように、片持ち部は通常の床を作るよりも梁材が必要になります。

また、片持ち長さが2m以上となりますと、上下方向の揺れを考慮して荷重の割り増しが必要になります。

片持ち床周辺の懐には、十分な余裕を確保しなければいけません。

taishin nippon

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