料理と構造設計

私は構造設計事務所で働きながら、趣味で料理を楽しんでいます。

手の込んだものや、時短レシピなどがあって、料理って楽しいですよね。

そんな中趣味と仕事を重ね合わせて、料理と構造設計の共通点を綴ろうと思います。


構造種別(木造・鉄骨造・コンクリート造など)によって設計手順が変わってくるので、今回は木造の構造設計と料理を結びつけながら、ご紹介したいと思います。


料理で、まず最初にするのは、材料集め。

実は構造設計でも同じで、必要な材料を集めるところから始めます。

構造設計での材料とは、意匠図面(平面図・立面図・断面図)・実際に工事をする敷地の情報やお客様からの要望になります。

この材料に無茶があると実現できなくなったり、安全を証明できなくなったりします。

料理で例えるなら、大豆を渡されて「肉料理が食べたい。」と言われるような感覚です。

それっぽいものは出来るかもしれませんが、要望通りにならないのは明らかです。

その場合は素材を見つめ直してもらって、求めているものを作れる材料をそろえてもらいます。


素材が集まったら、つぎは下ごしらえです。

構造設計での下ごしらえは、構造計算の過程で問題が生じそうな箇所を、前もって意匠設計の方に伝えておくことです。

ここは担当者の経験値によって大きく差が出てしまう所です。そこで弊社では、ご依頼頂いた物件を、全社員参加の会議で確認します。そうすることでチェックすべき内容の抜け漏れを防ぎ、またベテラン社員の指摘を、経験の浅い社員が共有することで、全体のレベルアップにもつながります。

この下ごしらえをキッチリするかしないかで、最後の仕上がりに差が出ます。

計算を進めていって、構造的に厳しいところがあり、建物のプランを変更してもらう必要が出ることもあります。前もって伝えていればいいのですが、いきなり言ってしまうと変更してもらえなかったりします。

ここも料理と同じですね。ただお肉を焼くだけより、筋を切って叩いたお肉の方がおいしいですよね。

今回はこの辺りで終わりましょう。

次回はいよいよ調理の本番、構造計算に入ります。お楽しみに。

taishin nippon

-present U’plan- 耐震や構造の情報を広く発信しています。

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