【ポイントは快適空間】ハウスダスト対策に有効な3つのマメ知識!

一口にハウスダストといっても、すぐに重病を引き起こす原因になる、というわけではありません。とはいえ、住み慣れた家で長く暮らしていくとなれば話は別です。そこで今回は、日々の生活で手軽に実践できる「身近な改善方法」から、マイホームを購入予定の人にとって役立つ「快適な家づくりのポイント」まで、ハウスダストに悩まされることなく暮らせる『3つのマメ知識』をご紹介します。


室内の空気を清潔にしてハウスダストから身を守る!

ホコリを吸い続けると、咳が出たり、喉が痛くなったりするものですが、これらの症状はハウスダストと関係しています。まずはハウスダストの正体と対策方法を見てみましょう。


実は意外と知られていないハウスダストの正体

ハウスダストとは、肉眼では見えない埃(ホコリ)です。土埃や砂埃のように目に見えるものもありますが、家の中のホコリ=ハウスダストは細菌やダニなど、目に見えない多くの物質を含んでいます。ハウスダストには花粉や黒カビなども含まれますが、その原因はさまざまです。人間が飛沫感染で持ち込む細菌もあれば、細菌からダニの増殖につながったり、花粉が風に運ばれてきたりすることもあります。いわばハウスダストは、防ぎようのない場合もある、ホコリの集合体といえるでしょう。


できれば掃除は毎日が理想!

ハウスダストを完全に除去することは不可能ですが、その性質を知れば、日ごろの掃除で軽減することも可能です。ハウスダストには粒子の大きなタイプと小さなタイプがあり、大きい粒子は床面に、小さい粒子は高い場所にたまる、という性質を持ちます。特に、大きい粒子の量の方が多いため、床面の掃除がハウスダストを軽減させるポイントです。また、掃除を1日1回するのと、週1回するのとでは、アレル物質(アレルゲン)の量が約5倍以上も違うので、ハウスダスト対策に日々の掃除は欠かせません。


ハウスダストがたまりやすい箇所には空気清浄機を設置する

ハウスダストの小さい粒子は、高い場所に付着する以外に、空気中に漂っているものもあります。人間は常に呼吸を繰り返しているので、空気中のハウスダストにも注意が必要です。また、廊下や洗面所といった狭く仕切られている空間は、ハウスダストがたまりやすくなります。ちなみに、廊下のハウスダスト量はリビングの中央部に比べて約3倍も多く、洗面所は約2倍も多いそうです。空気中のハウスダストは室内を換気することで軽減できますが、特に廊下や洗面所といった場所では「空気清浄機」の方が効果を得られやすいでしょう。


快適な家づくりを目指すことがハウスダスト対策につながる!

ハウスダスト対策のポイントは、家の中の空気をキレイに保つことです。続いては、建物自体に換気機能を持たせて汚れた空気を排出し、外気と入れ替える「24時間自動換気システム」について見てみましょう。


24時間自動換気システムとは

換気扇やダクトなどを設置して、常に家全体を換気できるようにしてあるのが、24時間自動換気システムです。換気の回数を1時間に0.5回以上とし、1時間で部屋の空気の半分が入れ替わることを基準としています。換気の方法は、排気と給気の方法が異なる3タイプです。第1種換気は「排気、給気ともに換気扇」を使い、第2種換気は「排気が自然排気、給気が換気扇」、第3種換気では「排気が換気扇、給気が自然給気」になります。


24時間自動換気システムのメリット

24時間自動換気システムの設置は、シックハウス対策の一環として、すべての建築物に義務付けられています。シックハウスとは、家具や建築用建材などに含まれ、人体に有害とされている化学物質です。ハウスダストに化学物質は含まれないため、シックハウスとは違いますが、いずれも「換気が有効」という点では類似しています。なお、24時間自動換気システムの設置は、新築時のみに限定されることなく「後付けも可能」です。


ハウスダスト以外にも視野を広げれば補助金の適用も!

換気システム導入の先には、「家自体をハウスダスト対策」するという方法もあります。それが、「高断熱・高気密住宅」を前提とした「長期優良住宅制度」の活用です。


まずは「高断熱・高気密住宅」を目指そう!

家自体の断熱性と気密性を高めることで、省エネや健康効果を期待できるのが、高断熱・高気密住宅です。健康効果は主に2つあります。1つは、室内の温度差が小さくなるため、ヒートショック現象の軽減が狙えることです。もう1つは、温度差の少ない住宅から期待できる、結露の防止です。断熱性と気密性が低い状態で暖房器具を使うと、結露が発生しやすくなります。結露は、カビやダニといったハウスダストを構成する物質の発生原因になるので、高断熱・高気密住宅の実現は理想的といえるでしょう。


耐震性といった項目をクリアすれば税制優遇が受けられる「長期優良住宅制度」

ハウスダスト対策のための高断熱・高気密住宅を目指せば、長期優良住宅の認定も取得しやすくなります。長期優良住宅とは、耐震性をはじめ、省エネ性や劣化対策など、9つの項目をクリアすることで認定される基準モデルです。長期優良住宅として認定されると、「住宅ローン減税」や「固定資産税」「登録免許税」「不動産取得税」が軽減されるというメリットがあります。ハウスダスト対策を視野に入れた「新築購入希望者」向けといえるでしょう。


ハウスダスト対策のポイントは快適空間の実現!

ライフスタイルは人それぞれですが、せっかくなら「くつろげる空間で健康に楽しく」暮らしたいもの。そんな快適空間の根底を支えるのが、日々の掃除だったり、将来の安全を見据えた家づくりだったりするのではないでしょうか。特に、住宅を建て替えるような大がかりな工事は、家自体の耐震性能ともかかわってくるので、検討する際はまず専門家に相談することがオススメです。


参考:

・ハウスダスト対策|ダスキンアイムス

・シックハウス対策について知っておこう。|国土交通省(PDF)

・高断熱高気密住宅の定義は?|断熱住宅.com

・長期優良住宅の認定基準(概要)|国土交通省(PDF)

・長期優良住宅に対する税の特例|国土交通省(PDF)

taishin nippon

-present U’plan- 耐震や構造の情報を広く発信しています。

0コメント

  • 1000 / 1000